初段論文
2018.7
「有段者の心得」
「打って勝つ」ではなく、これからは「勝って打つ」ように稽古をしていかなければならない。これは剣道で初段になった頃に言われた言葉です。相手に勝つ為にはちゃんと攻め勝ってから打ち込めという事です。剣道に限らず他の武道でも試合に勝つ事を目標に稽古をします。しかし合気道には試合が無い。試合は死合になるという事らしいのです。という事は、武術の面がかなり強いのではないかと思うのですが、その疑問に対して開祖は答えとなる事を仰ってました。
「真の武道は相手を殲滅するだけではなく、その相対するところの精神を、相手自ら喜んで無くさしめるようにしなければならぬ和合のためにするのが真の武道、すなわち合気道である」(合気神髄より)
これまでは相手を倒す事ばかり考えて稽古してました。相対する人間の敵意をなくさせ和合する。果たして自分にそんな事が出来るようになれるのか?
はなはだ疑問では有りますが、先生や諸先輩方、一緒に稽古をする人達の力を借りながら、この言葉の意味するところを目指し、また有段者の心得としてこれからも精進して行きたいと思います。
金宮 瑶廣