指導者の心得  

2022.07.24

足達 怜

 

 指導者として、まず第一に考えるのは、稽古中に怪我や事故が起こらないように目を配ることだ。  稽古中は複数の組が同時に投げたり受け身をとったりする。その場合に接触が起こり怪我に繋がることが あるので周囲の距離感には十分に気をつけて指導する。  

 また、現在はマスクをつけて稽古することも多く、マスクによって呼吸がしづらく熱が籠もって熱中症に もなりやすいので、適宜休憩を挟んで水分をとるよう指示する。

 

 第二に、一人ひとりの力量に合わせた指導を行うことだ。片手取り入り身投げひとつとっても、日の浅い初 心者であれば、きちんと入り身の姿勢をとること、形を作ることを意識して指導する。経験を積んだ人であ れば、無駄な動きを極力減らし、自分が楽に相手を崩すよう指導する。  

 技の中で意識すべき点は、姿勢、足の捌き、重心のかけ方、体捌きと多岐にわたるが、稽古を受ける者 が、今、何が出来て何を直さなければいけないのかを段階的に教えることが必要だと考える。その中でも背 筋を伸ばして姿勢良くいることは、どの技にも共通し、且つ初心者から取り組みやすい改善点だと考えてい るので、日々の稽古の中で初心者と組むことがある時は積極的に指導をしている。  

 

 指導者としてはまず手本を示し、それぞれの習熟度合いに応じた指導を行う。細かい指摘も経験を積んだ 人には必要だが、まずは稽古をする楽しさ、技を磨く達成感を体験してもらうようにこれからも意識してい く。